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サイボーグ昆虫:フレキシブル太陽電池で電力供給して遠隔操作(A02班)
A02班の福田憲二郎(専任研究員・理化学研究所(理研))と、染谷隆夫(主任研究員・理研)、梅津信二郎(早稲田大学・教授)、佐藤裕崇(准教授・シンガポール南洋理工大学)らの国際共同研究グループは、光エネルギーで再充電可能な電源ユニットを含む電子部品を搭載したサイボーグ昆虫を開発しました。
本研究成果は、昆虫の寿命が続く限り、電池切れを心配することなく、サイボーグ昆虫の長時間かつ長距離の活動を可能にすることから、その用途の拡大に貢献すると期待できます。
エレクトロニクスの進歩により、生物と機械の統合が進み、特に都市型捜索救助、環境モニタリング、危険地域の検査などの用途に、行動制御モジュールを備えたサイボーグ昆虫が提案されています。
今回、国際共同研究グループは、厚さ4マイクロメートル(μm、1μmは1,000分の1mm)の柔軟な超薄型有機太陽電池を、接着剤領域と非接着剤領域を交互に配置する「飛び石構造」で昆虫の腹部背側に貼り付け、再充電と無線通信が可能なサイボーグ昆虫を実現しました。飛び石構造の有効性を障害物踏破試験と起き上がり試験により定量的に評価したところ、厚さ5μm以下のフィルムであれば昆虫の基本的な動作が損なわれないことを実証しました。サイボーグ昆虫に実装した有機太陽電池モジュールは17.2ミリワット(mW)の出力を達成し、リチウムポリマー電池[2]を充電し、無線移動制御モジュールを操作することができました。
本研究は、科学雑誌『npj Flexible Electronics』オンライン版(9月5日付:日本時間9月5日)に掲載されました。