Science of Soft Robots – ソフトロボット学の創成:機電・物質・生体情報の有機的融合

イベント

ロボティクス・メカトロニクス講演会2022シンポジウム『 “いいかげん”を科学して未来を創るソフトロボット学3』

日時
2022年6月1日(水)13時~17時
場所
札幌コンベンションセンター&オンライン(Zoomウェビナー・Youtubeライブ配信)

***下記より、事前参加登録が必要です!(参加費無料)***
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概要

やわらかい電子回路や機械、やわらかい材料、やわらかな情報処理など、“やわらかさ”に関連した色々な研究をうまく結び付けて、新しいロボットを目指していく「ソフトロボット学」(通称:ソフロボ)が,世界中でとても流行っています。この学問の最大のポイントは、異なる分野の専門家が集まり,協働する“異分野融合”によって、これまでのロボットにはなかった融通・適応・好い加減さ,といった新しい価値を作り出していくことです。このシンポジウムでは,ふだんはロボティクスと異なる分野で“やわらかさ”の研究に突き進んでいる研究者を交えながら、ソフトロボット学のめざす“いいかがんさ”の科学を、やわらかく解説します。また、若手ソフロボ研究者にも,未来のやわらかいロボットを大いに語ってもらいます。ロボットの専門家でない方の参加も大歓迎です。一昨年からの引き続き第3弾です。

参加費:無料

参加方法: 現地参加 / Zoomウェビナー / Youtubeライブ配信

プログラム

(※変更の可能性があります)

13:00~13:05 趣旨説明

13:05~13:20 【ソフロボそもそも講演】
「いいかげんなロボット:ソフトロボットが創るしなやかな未来」
鈴森 康一(東京工業大学、ソフロボ新学術領域代表)


東京工業大学教授.1982年横浜国立大学工学部卒業.1984年同大学大学院工学研究科修士課程修了,東芝入社.東芝総合研究所研究員.1990年横浜国立大学大学院工学研究科博士後期課程修了,工学博士.1999年-2001年,財団法人マイクロマシンセンター国際交流課長.2001年岡山大学大学院自然科学研究科教授.岡山大学アクチュエータ研究センター長,マレーシア工科大学上級客員教授等兼務. 2014年~東京工業大学教授.現在,株式会社s-muscleおよび株式会社H-MUSCLEの代表取締役,文科省新学術領域研究「ソフトロボット学」領域代表.日本機械学会フェロー,日本ロボット学会フェロー.日本機械学会賞,日本ロボット学会賞等受賞.

 

13:20~14:05 【異分野チュートリアル講演1】
「ソフトロボットの手綱を求めて:制御理論からの挑戦」
石川将人(大阪大学)

せっかくのソフトロボットを,ガチガチの制御で押さえつけてしまっては元も子もありません.やわらかい体をしなやかに操るためには,大変形する身体のふるまいを「見積もる」ことと,限られた制御手段からふるまいに「手が届く」こと,が必要であると考えます.本講演では,劣駆動システムや大自由度システムの制御で培われた知見,特に可制御性の数理を振り返りながら,ソフトロボット制御論の確立に向けての課題をお話します.

2000年東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程修了,博士(工学).同大学助手,東京大学助手,京都大学講師,大阪大学准教授を経て,2014年より大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻教授.SICE論文賞・武田賞,制御部門パイオニア賞などを受賞.非線形制御,移動ロボット,生物に学ぶ/学ばないロコモーション,建設機械の制御などの研究に従事.

 

14:05~14:50 【異分野チュートリアル講演2】
「ソフトロボティクスの視点から紐解く動物解剖学の今と未来」
郡司芽久(東洋大学

現在地球上には多種多様な動物が生息していますが、そのほとんどは、筋肉や靭帯といった「やわらかい組織」によって構成された身体を有しています。本講演では、動物の身体を解き剖(わ)けることで明らかになってきた「やわらかい機構」を紹介するとともに、ソフトロボティクスとの有機的な融合により見えてきた「動物解剖学の今と未来」についてお話します。

東洋大学生命科学部生命科学科助教。2017年3月、東京大学農学生命科学研究科農学国際専攻を修了し、博士(農学)を取得。国立科学博物館、筑波大学を経て2021年4月より現職。哺乳類・鳥類の首の構造と機能の進化について、比較解剖学的観点から研究を進めている。第七回日本学術振興会育志賞受賞。著書に「キリン解剖記」など。

 

(10分休憩)

 

15:00~15:30 【ソフロボ若手未来を語る講演1】
「動物の好い加減な振る舞いから切り拓くやわらかいロボット」
福原 洸(東北大学)

我々の身近な存在である動物は、しなやかな身体を駆使し実世界を縦横無尽に動き回る。スパコンを積んでいる訳でなく、無限大のパワーを出せる訳でもない動物が生き生きと動き回ることのできる鍵とは一体何なのか?本講演では、動物の「好い加減」な振る舞いを生み出すメカニズムの理解に向けた生物規範・模倣ロボット研究の取り組みを紹介するとともに、動物から学ぶやわらかいロボットの可能性について議論したい。

東北大学電気通信研究所助教。博士(工学)。2018年3月、東北大学大学院工学研究科電気エネルギーシステム専攻博士後期課程を終了し、電気通信研究所学術研究員を経て、2018年10月より現職。専門は、自律分散システム、生物規範ロボット。動物が示す即時適応的な振る舞いの背後にある制御メカニズムや形態機能の理解に取り組んでいる。

 

15:30~16:00 【ソフロボ若手未来を語る講演2】
「分子ロボット特有の通信システムの解析」
小塚 太資(慶應義塾大学)


生体分子や細胞を材料とするマイクロサイズのソフトロボット(分子ロボット)は,「シグナル分子の拡散」を利用し複数体で通信することで,より複雑なタスクを達成できると期待されている.本講演では,分子ロボットと分子通信と呼ばれるシグナル分子を介した通信手段について紹介し,分子通信の特性を制御工学の視点から議論したい.

2018年慶應義塾大学理工学部卒業.Double Degree Programにより,2021年慶應義塾大学大学院理工学研究科修士課程修了,および2021年Technical University Munich, Physics Dept., Biophysics修士課程修了.現在,慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程在籍.2022年日本学術振興会特別研究員(DC2)採択.主に,細胞や分子ロボットから構成される分子通信システムの解析・設計のための制御理論の提案を行っている.

 

16:00~16:30 【ソフロボ若手未来を語る講演3】
「人に寄り添うソフトロボットのインタラクションデザイン」
ソン ヨンア(法政大学)


柔らかさが伝える感性、軽量化、安全性はソフトロボット固有の価値を表すキーワードです。しかし、具体的な応用先を探すためには、生活者の視点から日常に密着したロボットの在り方を再考する必要があります。本公演では、インタラクションデザインの視点から提案してきたアプローチを紹介し、人に寄り添うソフトロボットの在り方について議論したいと思います。

2012年東京大学学際情報学府博士課程修了、博士(学際情報学)。韓国のサムソン電子(株)に入社し、新規事業開発及びUXデザインに従事。2017 年に退社、東京大学 JST 川原 ERATO 万有情報網プロジェクトの特任研究員を経て、2020 年から法政大学デザイン工学部の客員准教授に着任。インタラクションを通じて変化していく感情体験の理解と価値創出に関する研究に従事。Innovative Technology、インタラクション2018/2022発表賞、ACM UIST/IEEE Robosoft Best Demonstration Awardなど受賞。

 

(10分休憩)

 

16:40~17:00 講演者によるパネルディスカッション+Q&A

 

コーディネータ:望山 洋(筑波大学)

参加申込:事前参加登録が必要です(参加費無料)
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主催:科研費新学術領域研究「ソフトロボット学」
共催:日本ロボット学会ソフトロボティクス研究専門委員会
ROBOMECH2022主催:日本機械学会ロボメカ部門