B01-24:細胞が棒状機材を操作することで作るしなやかなヒレの形態形成原理
概要
研究代表者 | 黒田 純平(大阪大学) |
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動物の器官、特に移動に関わる手足やヒレ、羽などの外部器官には、大きな剛性としなやかな動きが必要とされる。これらの器官を作っているのは、やわらかな細胞と、コラーゲン・ケラチンなどの細胞外のタンパク質、およびハイドロキシアパタイトで構成される硬組織であり、細胞は、これらの素材を適切な配置に組み立てることで、機能的な外部運動器官を作り上げる。それでは、どのようにして小さな細胞は自身のスケールをはるかに超える構造を正確に構築することができるのだろうか?研究代表者は、これまでに主にin vitroの培養系を用いた研究で、多彩な細胞群が、非細胞の棒状構造を“機材”として操作することで魚類のヒレの形を形成することを見出してきた。本研究課題では、各種細胞の挙動を「機材の操作」と単純化することで、複雑な形態形成現象を工学的な過程として理解することを目的とし、しなやかなヒレの形態を構築する原理の全貌を解明する。そして、ソフトロボット学、およびバイオミメティクス分野に新規の知見を提供する。