B01-17:タイ分子制御による高出力繊維アクチュエーターの創製
概要
研究代表者 | 上原 宏樹(群馬大学) |
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釣り糸などに用いられているポリマー繊維をねじってコイル状に加工したアクチュエーターは、その表面を金属コートすることでデバイス化され、通電すると加熱されて収縮し、通電を止めると自然冷却して再び伸長する。我々は、このような伸縮過程における高分子の振る舞いを、インプロセス計測技術によって解析した。その結果、ラメラ結晶間を連結する非晶「タイ分子」の伸縮がアクチュエーター性能を支配していることが明らかとなった。一方、我々は、直鎖状で分子鎖が長い超高分子量ポリマーを延伸すると、分子鎖「絡み合い」が非晶相に濃縮されることを見出しており、これらは応力伝達の意味ではタイ分子に相当する役割を果たすと予想される。これと同様に、「分岐」構造や「架橋」構造も印加応力を伝えられる点でタイ分子を発現すると期待される。本研究では、これら「絡み合い」「分岐」「架橋」等の特徴を有する各種のポリマーから、より伸縮性の高い繊維状試料を調製し、これをアクチュエーター応用することを目指す。