Science of Soft Robots – ソフトロボット学の創成:機電・物質・生体情報の有機的融合

B01-09:低消費電力で大変位・高出力の限界を極める熱刺激型軽量コイルアクチュエータの開発

研究代表者

概要

研究代表者 林 靖彦(岡山大学)

人口減少による労働力不足、高齢化社会を解決することを目指し、柔らかさと曲げへの適応性を限りなく追究した、人型ロボットやアンドロイドの開発に資するソフトアクチュエータの開発が求められている。フトアクチュエータは、大きな伸縮で高い出力が求められることは自明であり、これらをいかにして「軽量」で実現するかが実用化で重要と考えている。

本研究では、細いカーボンナノチューブ(CNT)紡績糸(ハード)に省電力を印加することで発生するジュール熱を外部熱刺激源とし、細い超柔軟性ポリマー糸(ソフト)とのインターフェースを制御した複合コイル化することで、ポリマー糸は熱により高速に収縮する、画期的な複合繊維コイルアクチュエータを実現する。ウエアラブル機器への実装を意識し、動作温度を100℃,将来的には60℃以下で大きな伸縮性(大変位)、高い出力(仕事量)、運動適応能力が高い(自在なモーション)、超軽量化のキーになる重い金属熱源を使わないといった特長を実現する。

研究代表者等は、長尺・高密度CNTアレー基板から連続乾式紡績で、高強度でフレキシブルなCNT紡績糸の作製技術を保有している。この技術をフルに活用し、結晶性ポリマー材料開発およびCNTとの複合繊維のナノ構造制御,加工プロセス・形状制御、熱の散逸を抑制しポリマー糸への効率的な熱伝導機構に関する基盤技術を構築することで、ソフトロボティックス分野の研究を推進する。