Science of Soft Robots – ソフトロボット学の創成:機電・物質・生体情報の有機的融合

B01-03:マイクロデバイスを用いた軸索における伝導調節機構のモデル化

概要

研究代表者 榛葉 健太(東京大学)

神経系では、細胞間の接合部であるシナプスに加えて、信号を出力するためのケーブルである軸索においても情報が処理されることが分かってきた。すなわち、感覚器からの入力の伝達、中枢神経系における情報処理、および運動器の制御まで、様々な機能が軸索における情報処理の影響を受ける。そのため、生体システムをモデル化するうえで、軸索による情報伝達の効果を考慮することが重要である。本研究では、神経細胞が情報を伝達する際の「しなやかな情報伝達」の理解を目的とする。

マイクロ加工技術を用いて培養神経細胞の軸索から活動伝導を計測する技術を基盤技術とし、無髄・有髄、中枢・末梢といった様々な軸索から活動伝導を記録する。さらにイオンチャネルを対象とした阻害実験から、軸索伝導におけるイオンチャネルの寄与を実験的に評価する。上記データに基づいて軸索の伝導特性をモデル化し、軸索における伝導調節が神経系の振る舞いにあたえる本質的な影響を明らかにすることを目指す。