Science of Soft Robots – ソフトロボット学の創成:機電・物質・生体情報の有機的融合

イベント

ロボティクス・メカトロニクス講演会2021シンポジウム『 “いいかげん”を科学して未来を創るソフトロボット学2』

日時
2021年6月6日(日)
場所
オンライン(Zoomウェビナー・Youtubeライブ配信)

***下記より、事前参加登録が必要です!(参加費無料)***
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概要:

やわらかい電子回路や機械,やわらかい材料,やわらかな情報処理など,“やわらかさ”に関連した色々な研究をうまく結び付けて,新しいロボットを目指していく「ソフトロボット学」(通称:ソフロボ)が,世界中でとても流行っています.この学問の最大のポイントは,異なる分野の専門家が集まり,協働する“異分野融合”によって,これまでのロボットにはなかった融通・適応・好い加減さ,といった新しい価値を作り出していくことです.このシンポジウムでは,ふだんはロボティクスと異なる分野で“やわらかさ”の研究に突き進んでいる研究者を交えながら,ソフトロボット学のめざす“いいかがんさ”の科学を,やわらかく解説します.また,若手ソフロボ研究者にも,未来のやわらかいロボットを大いに語ってもらいます.ロボットの専門家でない方の参加も大歓迎です.昨年からの引き続き第2弾です。

参加方法:Zoomウェビナー・Youtubeライブ配信

プログラム:

13:00~13:05 趣旨説明

13:00~13:20 ソフトロボット学とはいったい何なのか?
鈴森 康一(東京工業大学、ソフロボ新学術領域代表)


東京工業大学教授.1982年横浜国立大学工学部卒業.1984年同大学大学院工学研究科修士課程修了,東芝入社.東芝総合研究所研究員.1990年横浜国立大学大学院工学研究科博士後期課程修了,工学博士.1999年-2001年,財団法人マイクロマシンセンター国際交流課長.2001年岡山大学大学院自然科学研究科教授.岡山大学アクチュエータ研究センター長,マレーシア工科大学上級客員教授等兼務. 2014年~東京工業大学教授.現在,株式会社s-muscleおよび株式会社H-MUSCLEの代表取締役,文科省新学術領域研究「ソフトロボット学」領域代表.日本機械学会フェロー,日本ロボット学会フェロー.日本機械学会賞,日本ロボット学会賞等受賞.

13:20~14:05 【異分野チュートリアル講演1】
マルチエージェントシステムの制御とソフトロボティクス
永原 正章(北九州市立大学)


魚や鳥の群行動 (swarm behavior)はマルチエージェントシステム制御の一例である.個々のエージェントは「ハード」で「脆弱」であるが,多数集まって群れをなすことにより,「ソフト」で「レジリエント」なシステムが構成される.本講演では,マルチエージェントシステム制御の考え方を述べ,ソフトロボティクスと共通する概念を考察したい.

2003年京都大学情報学研究科博士課程修了.現在,北九州市立大学教授およびインド工科大学客員教授.IEEE制御システム部門より国際賞であるTransition to Practice Award(2012年)および George S. Axelby Outstanding Paper Award(2018年)をそれぞれ受賞.著書に Sparsity Methods for Systems and Control (Now Publishers)や「スパースモデリング」(コロナ社),「マルチエージェントシステムの制御」(コロナ社,SICE著述賞受賞)などがある.

14:05~14:50 【異分野チュートリアル講演2】
曲がる物体の数学解析
三浦 達哉(東京工業大学)


ソフトロボティクスは「物体の変形」を伴う点に一つの特徴があると思われる。一方で物体の形状や変形については古くから数学の言葉でも研究がなされている。本講演では、そもそも数学の研究とは何なのかという素朴な点から出発し、実際に「曲がる物体」を解析するための現代数学的手法の一部について紹介する。

2017年に東京大学大学院数理科学研究科にて学位(数理科学)を取得.ドイツ・ライプツィヒのマックスプランク数理科学研究所での研究員等を経て,2019年より東京工業大学理学院数学系・助教(現職).専門は数学解析とその周辺.2017年に日本数学会より建部賢弘奨励賞,2018年に日本学術振興会より育志賞,2019年に井上科学奨励財団より井上研究奨励賞を受賞.

14:50~15:00 Coffee Break

15:00~15:30 【ソフロボ若手未来を語る講演1】
末梢に計算なき知能を埋め込む無脳ロボティクス
増田 容一(大阪大学)


我々が住む環境は根源的に予測が不可能で,なにが起こるかわからない無限定環境である.しかしながら,ロボットが利用できる資源は有限であり,無限定な環境に立ち向かうためには,無限の環境を何らかの形でシステムに取り込み活用する必要が生じる.今回は,ソフトロボティクスなど相互作用主義のロボット学が目指す無限定環境への挑戦と,環境をシステムに取り込むための新たな末梢デザインの取り組みについて議論したい.

2019年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程を修了。現在、同附属フューチャーイノベーションセンター助教。同機械工学専攻の助教を兼任。2020年度計測自動制御学会論文賞などを受賞。

15:30~16:00 【ソフロボ若手未来を語る講演2】
如何にして”いいかげん”な身体を使い切るか?
− データ駆動なアプローチによるソフトロボットの制御
石毛 真修(東京大学)


ソフトロボットが持つ”いいかげんさ”は,ロボットが環境とうまく相互作用するために必要不可欠である.しかし,このような”いいかげんさ”を御し,きっちりと活用するための方法論は確立されていない.本講演では,この問題に対するデータ駆動的なアプローチを紹介し,ソフトロボットによる知的な振る舞いの実現に何が必要なのか考察したい.

2017年東京大学工学部電子情報工学科卒業.2019年東京大学大学院情報理工学系研究科修士課程修了.現在,同研究科博士課程在籍.

16:00~16:30 【ソフロボ若手未来を語る講演3】
チーターが体幹の柔らかさを用いて高速走行するメカニズムの数理的解析
上村 知也(名古屋工業大学)


チーターは体幹を大きく曲げ伸ばしして高速走行を行う.この現象は生物学的な視点から解析が行われてきたが,動力学的なメカニズムは十分明らかではなかった.本講演では,シンプルな数理モデルを構築し,その運動を動力学の視点から解析することで,チーターが体幹の柔らかさを活用するメカニズムと工学的応用について考察する.

1990年京都生まれ.2018年日本学術振興会特別研究員(DC2)採択.2020年京都大学工学研究科博士課程修了.現在,名古屋工業大学工学研究科助教.四足動物が高速に移動できる力学原理の解明を目的に,シンプルなモデルを用いた数理解析を行う.

16:30~17:00 講演者によるパネルディスカッション+Q&A

コーディネータ:望山 洋(筑波大学)

参加申込:事前参加登録が必要です(参加費無料)
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主催:科研費新学術領域研究「ソフトロボット学」
共催:日本ロボット学会ソフトロボティクス研究専門委員会
ROBOMECH2021主催:日本機械学会ロボメカ部門