Science of Soft Robots – ソフトロボット学の創成:機電・物質・生体情報の有機的融合

B01-19:感覚機能と運動機能を実現するバイオハイブリッド義手のための神経インタフェース

概要

研究代表者 八木 透(東京工業大学)

当研究グループは感覚機能と運動機能を有する「バイオハイブリッド義手」に適した神経細胞内刺激電極アレイの開発を目指している.従来は,金属製の電極を皮膚表面や神経細胞に接触させて義手と身体を電気的に接続している.しかし電気化学的な理由から従来の電極は微小化・高集積化が進まず,空間分解能の向上が困難である.また微小化した電極は電荷注入能力が低いため,細胞を発火させるために十分な刺激エネルギーを供給できない.したがって低い電荷注入能力でも刺激ができるように,細胞膜の内側に電極を刺入する細胞内刺激が有効である.

そこで本研究では,人工細胞膜とDNAナノチューブによって金属電極を覆うことで,電極が神経組織に直接触れることなく機能的な接続を実現する細胞内電極アレイの開発を行う.このように神経組織と電極をソフトに接続することで高い生体適合性を実現する.この電極アレイは,提案する義手だけでなく,ブレインマシンインタフェース(BMI)全般に応用できるため,神経接続技術の新たなブレイクスルーとなり,障碍者のQOL向上につながると考えられる.